昼 歩く
木立 悟





踊る阿呆見る阿呆つれて飛んでゆけ


雨くわえ曇すててゆく鳥の群れ


風ふいて燃えないゴミの笛ひびく


人のこと言えない自分ふくれゆく


言えぬまま言おうとすれば舌を噛む


舌の穴流るるはただ血と涙


床上のダニの生死に惑う足


腹へらし見えぬ黄色を見る鴉


酔うものは酔う道をゆく放っておけ


雨は来る繰りかえし来て午後になる









川柳 昼 歩く Copyright 木立 悟 2007-11-11 13:23:59
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