室 内
塔野夏子
罫線のパントマイムを観測する
午後三時十一分
抽斗の中に漂う真珠色の憂愁に呼応して
ぶれてゆく窓枠
書棚のざわめきが
微笑んでいるソファの方へ吹き寄せられる
白いカップのアールグレイを中心に
ゆっくりと室内が一廻転する
自由詩
室 内
Copyright
塔野夏子
2007-11-11 10:59:16