エシックス
蒼穹

君がくれたものなら 唇に隠しておいた
手紙にするには 言葉が 足りなかった
誰かが逃がした涙 誰のもか僕にはわからない

今日犯した罪も 明日には覚えていないだろう
書き換えのきくルールに 安息はないのかもしれない

今 鼓動は 警鐘に変わる
わかりあえないなら わかちあえるまで
剥き出しの絶望は 互いに見なかったことにしよう

君が欲しいものなら 唇に重ねておいた
言葉にするには 時間が 足りなかった
自ら増やした扉 入り口か出口かわからない

昨日作った嘘も 明日には嘘だと言えるだろう
後悔のないループに 感動はないのかもしれない

今 鼓動は 輪唱を鳴らす
わかりあえないから わかちあえたんだ
それだけで絶望は 慈愛に満ち溢れることだろう

有り触れた不自由は 自由の積み重ねだと 気づくだろう


自由詩 エシックス Copyright 蒼穹 2007-11-09 19:41:25
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