東京の夜サヨウナラ
manabe kenta

私は東京の夜にサヨナラを告げる。


それは過去の対峙との決別、そして80数日後に待つ


であろう未来との暴動に対しての充電でもある。


嘗てこの夜が私や君を救った事は計り知れないだろう。


名も知らないソウルシンガーの曲が日曜日のラヂオから流れる


その事がどれだけ僕等にとって大きな存在であったか。


あなたと一言一言、心の血管を紡いで往く事はどれだけ大


切な事で在ったろうか。叫ぶ事で在ったろうか。


それでも、あなたの傷は癒されずに、午前2時の暗い空


(それは、排気と人工的な光がつくりだした、偽りの黒。)


も罪深さを許すことは無く、銃を構えた兵隊達は


常に僕等を狙い続ける様に成ってしまった。




サヨウナラ、君。サヨウナラ、僕達。





視えない朝を感じたかったね。





確かめたかったのは、存在論。





誰も居ない、静かなロング・ビーチで眠る私達。





それは素敵で、儚いものだった。





東京の夜、サヨウナラ。





自由詩 東京の夜サヨウナラ Copyright manabe kenta 2007-11-06 19:20:47
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