東京の夜サヨウナラ
manabe kenta
私は東京の夜にサヨナラを告げる。
それは過去の対峙との決別、そして80数日後に待つ
であろう未来との暴動に対しての充電でもある。
嘗てこの夜が私や君を救った事は計り知れないだろう。
名も知らないソウルシンガーの曲が日曜日のラヂオから流れる
その事がどれだけ僕等にとって大きな存在であったか。
あなたと一言一言、心の血管を紡いで往く事はどれだけ大
切な事で在ったろうか。叫ぶ事で在ったろうか。
それでも、あなたの傷は癒されずに、午前2時の暗い空
(それは、排気と人工的な光がつくりだした、偽りの黒。)
も罪深さを許すことは無く、銃を構えた兵隊達は
常に僕等を狙い続ける様に成ってしまった。
サヨウナラ、君。サヨウナラ、僕達。
視えない朝を感じたかったね。
確かめたかったのは、存在論。
誰も居ない、静かなロング・ビーチで眠る私達。
それは素敵で、儚いものだった。
東京の夜、サヨウナラ。