夕焼けマジック
yo-yo

空の
一日が崩れてゆくあたり
もういいやとばかり
投げ出されてしまった光の欠片

渚のように引いてゆく
煙のように戸惑っている
燃えつきる
その一瞬をつかもうとして競った
ぼくらは

どれだけ拾えただろうか
照り映えに
腕と頬を赤く染めて

空のマジックに
ことばを一枚ずつ奪われて
草と髪と
焦げた風とともに
夜におちる

そこだけ残った
光の蛇口の
水圧に息を止めながら
ぼくらは

あしたも、
あるといい、な。
なにが、え?
うん、
なにかが、
な。

何もない手を振って
ことばの欠片を落としてみせた





自由詩 夕焼けマジック Copyright yo-yo 2007-11-02 07:39:03
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