めるへん
フクロネヅミ

みなもがゆれるので
ぎちぎちと木の船はゆれます
のどかな光景に浮きあがる
つきは 泣いているのか
きもちばかり哀しそうです

とおい、ちかい、とおい

ほうきぼしの
しなる、ながくたなびく尾は
くさむらをなでて
ずぶぬれてしまったさかな

よわよわしいそのルーペ
ルピナスの輝きをうつすのです

ひろがる波紋は
だんだんと
りそうをけずり
のどかなうみのその岸は
つめたくも立体的に
きらりとあかりをかかげています

とおい、ちかい、とおい

ゆられたまま
めをとじてしまえば
みみもとから
るろうしてしまいそうな そんな夜の






自由詩 めるへん Copyright フクロネヅミ 2007-11-01 10:11:19
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