あまのじゃく
池中茉莉花

布団から離れられず
寝て過ごす
毎日

あなたの好きな
オムライスだって
作りたいのに

そんなささやかな
自由さえなくて

わたしは ひっそり
涙を流す


だけど
「かならず治りますよ」
といわれるたびに

なぜか
このままでいたく
なるのです



病気でなければ
わたしでは
なくなるような
気がして


わたしが病気なのか
病気がわたしなのか

それがちっとも
わからない

病気でいることが
みんなに
哀しみを
分け与えているのは
わかっているのに


そんな自分が許せなくて
体に負荷をかけようと
目的もなく
坂道を登った

涙は溢れるままにして
霧雨のふるなかを
坂ばかり探して
歩き回った


けれど
坂は
なにも答えを
教えてはくれなかった


今日もまた
わたしは
泣きながら
病気とじゃれあいを
つづけている


自由詩 あまのじゃく Copyright 池中茉莉花 2007-10-28 23:02:10
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