女性が安心して読める下ネタを書くには
山内緋呂子

 太っていると下ネタが決まらない。最近は、「アーモンド小魚」「アーモンドフィッシュ」という名で売られているカタクチイワシとアーモンドのそぎれを食べている。「私、アーモンド中毒なの」と宣言するとおしゃれなような気がする。お昼休みに元気のない後輩に「これ喰って頑張れ」とカタクチイワシを差し出すと、明日からランチは別々のような気がするし、「カタクチイワシばかり食べています」と、ふるさとの母に手紙をしたためては気苦労させるからしない。

以前、私は、「女性が安心して読める下ネタ」を目指そうと思った。猥褻な表現ならば、男性が欲情できるし、そっちの方が好まれると思った。でもそういう下ネタはたくさんあるし、もっとおもしろく明るくできないかと。あえてエグくしなかった。そういう気持ちでいたら、ある女性に、「あなたの下ネタはまだまだ甘いのよ。大多数に受けることを狙ったポップな下ネタだ。例えばあわびを出すにしても”あわびください。風呂上がりの”ぐらい言えっつーの」と意見をもらった。私は、「あわびください。風呂上がりの」がそんなにおもしろいとはその時思わなかったが、その人にしてみたら「おもしろい」ことは問題でなく、ポップな大多数向け下ネタなんて、許せないことだったのだろう。

しかし、思い切って、女性であるが、下ネタを言っていこう。女性であることで一番支障があるのは、下品になってしまうことだ。
音楽好きな友達から耳よりな話を聞き、しゃれスレに

         オジー・オズボーン グレイテストヒッツ
            オズマン・コメス
                         
                    〜入りすぎだから

と書こうとしたが、とても書けない。露出しすぎ。下ネタ用に、「千駄ヶ谷シモン」と名前を用意して書こうと思ったが、名前を二つ持つのは結構疲れるのだ。一つの名前で書ける方がいいじゃないか。ちなみに「シモン」はシモネタのシモを入れてあるのと、女性に人気の人形作家「四谷シモン」さんとかけました。

好まれる下ネタの言い方を分析してみた。

成功例 〜ちょっと前の某女優さん
成人式の日、色紙に書いた抱負は「花びら満開」。元気よく指さして「満開ですよ!下ネタ入ってますから」と言っていた。
状態:明るく元気!声は大きく前に出る。若い。女優。
頻度:他のことについても毒舌で、アイドルでかわいいこともあり、注目を集める。その一端としての下ネタ。

失敗例 〜 今どこですか某歌手
歌番組で、最後に一言求められ「一人の夜も二人の夜も秋ナスのおいしい季節ですね」と言って男性司会者から総スカン。
状態:猫背。常に笑いながら言う。そんなに若くない。疲れた感じなのに下ネタを言う時明るい。本業不振。
頻度:発言が下ネタだらけ。悪いが25過ぎたら頻繁ではいけない。しゃれにならん。

結論
1 自分で下ネタを言っている時、喜んではならない。
2 本業に自信を持っていること。
3 普段から他の分野でもおもしろいことを言うと、その一端だと受け取ってもらえる。
4 背筋をのばして言い放つ。淀まない。
5 下ネタは言っても、するな!

女性のみなさん、下ネタにふれてみませんか?全く興味がないからと毛嫌いするのはよくありませんよ。私も20代前半の頃、テクノに興味がなかったんですが、Rainbow2000という富士山麓のイベントに行き、ただずっと寒かったとか、目の前で踊っている女の人の手がプロっぽいと思って帰ってきたぐらいです。
そんなもんですが、もっと下ネタを読んでみてください。
先日、夏木マリがはなまるカフェで「なかなかボーイフレンドができない」と、手を前にのばし、ビラビラさせていました。その時の手の揺れが、テクノで踊っていた女の人と似ていました。                                                        
                    
                   


散文(批評随筆小説等) 女性が安心して読める下ネタを書くには Copyright 山内緋呂子 2004-06-07 13:45:59
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