ごらんよ、呆れかえるぐらいあざやかな朝じゃないか
ホロウ・シカエルボク
雨の名残は道の脇だけ
夏の名残は枯れた茎だけ
出した手紙の返信気にして
閉じたまぶたに弱気が群れる
携帯電話をいじくっていると
未整理のアドレスで肩が凝る
慣れた名前を見つける前に
傷ついたフラップをぱんと閉じなくちゃ
死まで突っ走って行きそうな救急車が
週末の浮かれたかたまりを掻き分けてゆく
救済の名の下にルールは無視される
誰を責めるような事柄でもないけれど
どこに行きたいの
どこに行きたいの?
後輪の真ん中で咽てるナンバーに
ひとりひとり聞いて回りたいね
雨の名残は道の脇だけ
夏の名残は枯れた茎だけ
続きを思い出せない鼻歌
昨日の続きじゃ寒すぎる風
ごらんよ、呆れかえるぐらい
あざやかな朝じゃないか
どんな些細な掻き傷があろうと
どんな無残な遺失があろうと
交差点で笑い出した僕のこと
狂人のように見るのはやめてくれ
バックボーンを探りもせずに
短いテキストを貼り付けるのはやめて欲しいんだ
ごらんよ、呆れかえるぐらい
あざやかな空じゃないか
笑いの過ぎたあげくの涙と
とられるうちはしあわせなもんさ
青信号だが
渡る気なんかもう失せた
咎められるまで
ここでまぬけな傷みを晒していることにしよう