浪漫主義
哲子

星の砂は生きている。

あれは一種の虫で、海藻に付着し表面の殻を通して息をしているのだ。



何も考えていないから滅びるのではない、

と誰かが言った。

思考するから、滅びゆく運命を、結果的に受け入れているのだ。


何かに作用するかどうかを考えるような回路を持ち合わせていない場合、存在の価値は消滅するのだろうか。



例えば殻の中で息をし続ける彼ら。
知らぬうちに星と呼ばれて、誰かの手のひらで温められ、乾いてゆく。



例えば作用や意義や観測の中でもがく彼ら。
やがては滅する、乾いて、乾いて、星になる。




結論は明らかだのに、なのに、星にも砂にも、同化できない気がしている。あなたの、殻の中では、


自由詩 浪漫主義 Copyright 哲子 2007-10-19 21:04:38
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