カルネヴァーレ
nm6

 
 
 
いつのころだったか、わすれてしまったし、どこからきたのだったかも、はて、となってしまった。体温のようにそこにあった、ぬくぬく、や、ぬるまゆ、や、ぬめり、にみられる、ぬ、的なもの。それら、さあ沸点!さあ沸点!とやがて、ふためき、隠しきれず、きれぎれに、いとしく、しかしいとしく、関わらず、白をきり、きざみ、棒のようなものでつつきあい、ちちくりあい、愛、あとで、あとでにして、おもい腰のように、おもいおもいに、さぐりをいれ、のぞきこみあい、つまみ、揚げ、煮て、しかたなく、よるべなく、カタカタ、と、したためはじめる。そのようなころ。
 
 

 
 
――カルネヴァーレの模様です、

夜のカフェで雨、窓ガラスにギターの音が、一弦、一弦、一弦二弦。オレンジTO黄色TO白のグラデーション、愛。路上、向こう黒、物音だと知っている音と、雨の自動車がすり抜ける音だと知っている音と、目を閉じれば暗くなって、目を開ければ光る。ギターの音が、三弦。一弦、一弦二弦。街灯きっと、アスファルトをきっと、照らしている!照らしている!っすら、っすら、っすら/と貼る膜状の雨水がハル、流れるタイヤをアキ、浮かせる按配にきっときっと、すべる/っすら!ような流れるタイヤにつつつ、と、つられ、とちり、ぼくら人間もするっと浮く。するっ。つるっ。午前1時の浅闇の、アスファルト、アルペジオ、氷の入ったグラスのからんからんと、目を閉じれば暗くなって、目を開ければ光る一弦、雨の自動車、自動車、一台二台荷台、一弦二弦次元。透明で光る、たよりない光る、狂おしいほどにっこりな曲がきこえる。

狂おしいほどににっこりな、

――カルネヴァーレの模様でした。
 
 

 
 
てっぺんの通過点で、
つつく、皮膚疲れて、
さあ宙に浮いて、手、
ILL。声、をかけ、
てみたり、引いてみ、
たりぼくはおびえて、
いる。きみは笑って、
いる。

コーヒーの苦味、苦味がぼくを、存在、目覚め、鼻から抜ける、切ないもやもや空気通り抜けさせる、ブラック、ジョーク、ジャック、パワー、オブ、ジャック、ザ、ピープル。ジャック、ジャック、ジャック、

牛乳を混ぜてしまうなんて狂気の沙汰だ。
 
 

 
 
いつのころだったか、わすれてしまったし、どこからきたのだったかも、はて、となってしまった。体温のようにそこにあった、ぬくぬく、や、ぬるまゆ、や、ぬめり、にみられる、ぬ、的なもの。それら、さあ沸点!さあ沸点!とやがて、つやめき、堪えきれず、笑いあい、いとしく、しかしいとしく、かなしく、白をきり、ふき、縄のようなものでじゃれあい、ささくれあい、愛、なべて、総称して、おもい夜のように、おもいおもいに、さぐりをさぐりをさぐりをさぐり、こみこみでのぞきこみ、つまみ、煮るなり、焼くなり、好きにして、と言ったのだったのか、そうではなかったのか、わすれてしまった。


自由詩 カルネヴァーレ Copyright nm6 2007-10-14 17:13:03縦
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