空の破れ目 
服部 剛

数日後 
フランスへ旅立つ友の 
亡き母親の面影を 
就寝前 
闇の天井に想い浮かべる 

「 わたしがほんとうに 
  求めるものは、何でしょう・・・? 」 

胸に手をあて念じ続けると 
閉じた瞳の裏に広がる空は破れ 
天から下る 
( 誰かの手 )が 
地上に立つわたしの額にふれた 

( お前はすでに、我が子である・・・ ) 

隣室にいる 
今日誕生日の親父が 
くしゃみをした 





自由詩 空の破れ目  Copyright 服部 剛 2007-10-14 00:32:00
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