中空
月見里司
北東の風が、強い。
雲は千切れ、崩れていく。
思ったより遠く、ずっと遠くまで、
走っていた。
(誰もいないグラウンドに立ち、空の箱を投げる。誰もいない。投げられた衝撃で箱が開
き、そこから無数の朝焼けが飛び出す。グラウンドには誰もいない。誰もいない。誰も)
僕らはいつしか吹き荒れて、
掻き消され、
上空は、秋。
//2007年10月12日
自由詩
中空
Copyright
月見里司
2007-10-12 22:11:15