足あとⅠ—鉄道駅を降りてから—
りゅうのあくび

夕刻の鉄道駅では
通勤客の
ポーカー
フェイス達が
ごった返していて

自動改札機に
ようやっと
迎えられ
財布から
定期券を
ジョーカーを
引くように
取り出し

鉄道駅は地球の
少し反対側へと
家路を
歩きながら
離れゆく

仕事と
カジュアルを
共用している
かばんを
片手に持ち

ふと過ぎる
過去とは
すでに果たされた
希望のことであり
約束された
場所へと
歩き続ける途中で
作られた過去が
かばんの中で
すでに
荷物となっている

何匹かの
猫と出会い
そして
別れて行く
空色の風はそよぎ
白い色の
ワイシャツの
袖口から
小さな街の
夕空を深呼吸しながら





自由詩 足あとⅠ—鉄道駅を降りてから— Copyright りゅうのあくび 2007-10-12 22:02:54
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