拝啓、君は元気ですか
たもつ

 
 
まだ夜の明けないころ
街は少し壊れた
機械の匂いがする
昨夜からの断続的に降る雨が
いたるところ電柱にも
あたっている
いくつかの窓の中には
ささやかな抵抗と
使い古された言い訳があって
何も知らない象の親子が
道の横断歩道のないところを
ゆっくりと渡っている
あと数時間もすれば
街にひとつしかない駅から
朝一番の鈍行列車が発車する
いくつかの列車を乗り継ぎ
乗り継いでいるうちに
人はいつか死んでしまう
拝啓
覚えた言葉は
すべて捨ててしまって構わない
 
 


自由詩 拝啓、君は元気ですか Copyright たもつ 2007-10-11 08:38:27縦
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