ある港によれば
こしごえ
海鳥
(
うみどり
)
は
淋
(
さみ
)
しくないて いますよと
波間のふねを
そよ風が
帰っていって 透きとおり
なき声ひくく羽ばたいて
夕べの斜陽が今朝方に
燃え映ってしゃらしゃらと
しろがねいろのさざなみを
しずまりながら 昇りつつ
そらへかたむきつらぬいて
わんきょくされた呼吸音
まちびとの
おもかげゆぅらりあおぎいる
水平線に限られて
浜のろうじんうた歌い
波にかくれた貝のブレスが
白い素足にふまれて閉じる
自由詩
ある港によれば
Copyright
こしごえ
2007-10-09 08:11:53縦