今日は死ぬにはとてもいい日だ
しろう

今日は死ぬにはとてもいい日だ
草穂を揺らす風が吹く

ヒマラヤスギが黙然と立つ落日
強さの代わりに口を閉ざすんだ
風がすわりと立ちはらむ草原で
空気に重さがあるということを
彼らは厳かに語ろうとしている

シルバーアロワナの鱗のような
あれは一体誰のための雲だろう
流れているのか漂っているのか
そらに始点も終点もないとして
明日が普遍してもいいと思った

八雲を散らす風が吹く
今日は死ぬにはとてもいい日だ





自由詩 今日は死ぬにはとてもいい日だ Copyright しろう 2007-10-07 23:57:09
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