スナップショットで写した空
あおば

                071006


カメラを素早く
懐に
軽四輪に飛び乗って
資源ゴミの回収に行く
ごみごみした都会の隘路
人情を踏み潰して平らに光る
それなのに
人だかりするのはどうしてと
美しい企みを知らないふりして
空はいつも穏やかに微笑んで
柔らかい光を放っている
疲れを知らない女性の鑑
まるでアナタのようですと
編集長は原稿をもらえない腹いせに
宅配便のお姉さんの私に嫌みを放つ
部屋の中では、タバコを切らしたまま
外へ出掛ける時間もなくした作家様
締め切り時刻をセットした顕微鏡のような眼鏡が
戻せなくなった深爪の意識を記憶する

千石船には積み込んだコシヒカリの俵が溢れ
船着き場ではクレーンが故障したから
一人でもたくさんの人夫を集めろと
コンビニの店長は男と見れば誰彼となく涙声を掛けている
若い頃は沖仲仕でならしたのが自慢のツネさんは
今朝だけは、まるで聞こえないふり
持病の通風の具合が良くないと空を向く

シャッターチャンスは二度は無いと知っているから
連射モードで10秒間で40枚の画像をゲット
ブログサイズに切り分けてから赤外線の世話になり
たったいま、アップしたところです。

それで良いと思っておりますが
誰もコメントをくれないのなら
もっとグレてやるといいながらも
リチウムイオン充電池の温度上昇を気にしながら
石焼き芋の残りを囓っているので寝付けなくなる秋の週末なのです。





自由詩 スナップショットで写した空 Copyright あおば 2007-10-06 03:24:15
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