『夜鴉』
しろいぬ

朝になれば
上がるのかな
重たい雨

逃げそびれた
隙間もなく
降ちる滴


幾ら追い掛けたって
陽は沈んでいくんだ
濡れた羽根広げたって
昼は離れていくんだ


夜と同じ色に
染められた躯で
朝を待っているの
笑われてもいいよ
濡れたキオクいつか
光弾いて消える
朝を待っているの
雨も通り過ぎるから


幾ら追い掛けたって
陽は沈んでいくんだ
遠くで誰か照らして
また朝を連れてくる


夜と同じ色に
染められた躯で
朝を待っているの
笑われてもいいよ
濡れたキオクいつか
光弾いて消える
朝を待っているの
雨も通り過ぎるから


朝になれば
雨も消えて
光る滴

見上げたらほら
白んできた
東の空




自由詩 『夜鴉』 Copyright しろいぬ 2007-10-05 08:58:44
notebook Home