桃色蛍光ペン
見崎 光

浮き沈み

笑って泣いて


一人芝居に明け暮れて
忘れてみたり
浸ってみたり


行き交う靴の音に
追いかけっこの背中
諦めかけて
見つめ直して
終わりのない波動


出逢った頃の左腕は
初々しさをちらつかせ
さっき瞳が捕まえた左腕は
存在の大きさを物語っていた


浮かれて落ち込んで

仰いだり俯いたりしながら

結局はまだ、一人芝居


平常心さえ保てずに
1コマを巻き戻す
単純と強がりと下手な嘘
詰め込んでラッピングして
胸の中で弾けて飛んだ


全部を半分に

無くしたピンクの蛍光ペン

代わり黒のボールペン


捜索届け

エリア内

行き先限定

心の電波





浮き沈み
経て、尚も
愛は消えない






未詩・独白 桃色蛍光ペン Copyright 見崎 光 2007-10-04 22:27:03
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