虹色の水溜まり
渡 ひろこ

ブラック・コンテンポラリーのリズムに身を委ね
カモミールの香りが漂う部屋の中
あなたへの想いだけが
ゆるゆると飽和して溶け出していく


手をのばして 重ねて 見つめあう
濃密なアトモスフィア
わたしの 内側から あふれ出る
鮮やかなエモーション


何色の絵の具で描いたらいいのか
幾千もの彩りの感情が
螺旋のように空間に放たれていく


いつのまにか
零れ落ちた感情が
虹色の水溜まりとなり
深い湖へと変わっていく


わたしは
あなたがこっそり逃がした
夢のカケラを探しに


浅い眠りの狭間を
ひそやかに
遊泳する


白い魚影となって





自由詩 虹色の水溜まり Copyright 渡 ひろこ 2007-10-02 20:15:40
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