brighter
木立 悟





見失う
三行の言葉
見失う


午後の光に
のばされる腕
花を
摘みとることなく摘みとる手


灯の上の灯の道
水の上にしかない陽とともに
水のたどりつくところ


光が 岩を打ち寄せる
砂と小さな手を結ぶ金
光が岩を打ち寄せる


渦と原
はがれおちながら
描くかけら
一つ眼の空


ひとふさの
水玉の風
この子には無い
皆からもらう


笑み 笑み みどり
手のひらになり 羽になり
手のひらの上消え去るもの
笑み 笑み
みどり


雨の音 虹の音
窓から窓へ
傷ある足の
はばたきと行方


やさしくはない
ただやわらかく
きんいろ
踏みしめる
きんいろ


ふたたび失くし
ふたたび浴びる
重なりの声 業の羽
まぶしさのなか見失い
失われ 失われ よみがえる
失われ 失われ 降りそそぐ
















自由詩 brighter Copyright 木立 悟 2007-10-01 15:34:53
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