うたかた
しゅう

川上から
くちびるも切れないような
と、いう言葉が流れてきて
あわてて口角をぬぐう

せっかく飲んだ酒を
鴨川に吐き捨て
突っ込んだ手が、宙ぶらりん
いびつな弧を描いて
よどんだ虹がかかっている
酒と一緒にため息や、つばや、言葉、
いくつ飲み込んでいたのだろう

虹がよどんで、ぷくぷく
ぷく、と浮き上がる
鉛だか、水銀だか
砒素、鉄分、カルシウム
イメクラ、コスプレ、恋愛感情
感傷、暴動、希望、言葉
くち、びる
あわてて口角をぬぐう

傍らに、蕗の葉が萌えそめている
汚れた手でむしりとり、乱暴にぬぐう
ちくちくと繊細な毛が痛い

朝になれば、かぶれた手の傷口から
ぷくぷく
ぷく、とよどんだ虹が浮き上がる
鴨川に投げ捨てた蕗の葉にも
同じうたかたが流れ着いているだろうか
同じうたかたに、届いただろうか

光が、はじけていく


自由詩 うたかた Copyright しゅう 2007-10-01 04:46:37
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