レジスタンス
狩心

革命を起こそうと考えている俺は
一匹狼のレジスタンスだ
レジスタンスも凡人で
腹が減っては戦ができぬ
そろそろ、おやつの時間だ
時代の匂いMAXと書かれた最近流行の
コンビニに立ち寄った

コンビニのレジにアイスを出したら、店員が
「温めますか?」と聞いてきた
・・・おい、弁当じゃなくてアイスなのに、こいつ何言ってるんだ・・・
俺は一瞬戸惑った
しかしそこは俺もレジスタンスだ
「いや、それはいいから、俺の心を温めてくれ」

そこから俺たち二人の恋物語が始まった
彼女は死ぬまで色々な事を間違え続けた
その度に俺は絶妙なギャグで切り返した
しかし彼女はすべて真面目に受け止めた
お互いのすべてを理解し合う事だけが
相性の良さではないと知った

彼女は毎朝、呪文のように呟く
「あなたの心を温める為に、今日も生きる」
まるで精神がおかしくなってしまった人のように
何度も何度も繰り返すのだ
そして毎日、レジに立ち続けている
コンビニのレジからスーパーのレジ、
レストランのレジから雑貨屋のレジ、
どんなレジでもやった
レジであれば何でもいいのだ
レジのスタンスで生きる彼女は言った
「あの時の出会いを、忘れたくないから」

彼女は病的におかしい
おかしいが、俺はそれを笑えない
笑えないから自分でギャグを言う
無論、誰も笑わない

たぶんこのままずっと、
一緒に生きていくと思う、
君がレジを叩く
音に合わせて







自由詩 レジスタンス Copyright 狩心 2007-09-29 14:57:31
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