巨乳反対から始まるいくつかの反対
クリ

■ 巨乳反対!!
 サトエリは多分いい子みたいなんで嫌いではないが、しかしだ、
なんでキューティーハニーの身体にパタリロの顔がついてるんだ、と言いたい。
…と枕をかましたところで。彼女は「ナイス・バディー派」に分類されるだろうが、
今、空前の巨乳ブームが日本を席巻している。そこで言いたい。

 男がみんな、誰ひとり例外なく巨乳好きだと思ったら大間違いだ。

僕もおっぱいは好きだ。それは自他共に認めるところ。
むかし、「おしゃぶりプレゼントしようか」と言われたこともある。実話。
それはともかく、僕が好きなのは巨乳とか貧乳とか微乳とかそんなことには関係がない。
手ごろなおっぱいが好きなのだ。
…というより、好きになった女の子のおっぱいの大きさが好きなのだ。
ちょうどこの、てのひらをカップのようにして、この、このくらいの…、
そんなことはどうでもいい。だんだんエロじじいになってきた。
日本の男どもよ、早く乳離れせよ、と言いたいのだ。

「誰でもすぐに乗せる」という意味の日本人の女の子への蔑称、Yellow Cabを敢えて名前にしているあの会社、
そこに所属している女の子は、一枚一枚服を着ていく。そして成長していかなければ生き抜けないだ。
しかし男は置いてけ堀だ。タクシーを乗り換えるだけ。ほんとうに情けない。
もうわしゃ知らん! (結局じじ臭いじゃないか)


■ 幼生成熟反対!
 動物の一部に、成長の過程で大きく姿や機能を変えるものがいる。たとえば蛙。ほとんどの昆虫もそう。
しかし、本来なら成体になっていいのに環境の要因で子供のまま留まる動物がいる。
ウーパールーパー、アホロートルがそうだ。成長に適した水辺が存在しないと、アホロートルとなる。
「幼生成熟=ネオテニー」と言う。子供の姿のまま、性的に成熟するからだ。つまり交尾可能となる。
ちなみに好ましい水辺がありさえすれば正常に成体へ変態する。ネオテニーは子孫繁栄の手段なのだ。
現代の日本人は、精神的に幼生成熟している状態と言える。乳離れしていない、と言えば済むのだけれど。
これを阿呆ロートルという。「老頭児/ロートル」ではないので誤解しないように。

人間は、チンパンジーのネオテニーだという説もあるが、僕は信じない。
それより、「ヒトは猿から進化した」と思い込んでいる人が今でもいることには閉口する。
祖先が同じなだけで、決してヒトは服を着た猿ではないのだ。

古代から江戸時代頃までの日本人は、十代前半で子を作った。元服し、懐胎した。
それは平均寿命が30歳に満たなかったからでもあるけれど、それにかてて加えて、
精神的にある程度成熟していたからだ。大人にならざるを得なかったからだ。

第二次大戦以降、「こどもの権利」ばかりが囃したてられ、「大人になる義務」がないがしろにされている。
なんだかアメリカの狡猾な日本統治の図式も連想するが、この話題は今回は避けよう。
では、日本人の幼生成熟は、何が存在しないためのものなのか。自明だ。
成長に適した社会が存在しないからだ。保護されたままセックスしていいのだ。


■ ロリコン反対!
 僕はほとんどの性癖は認容する。ゲイには偏見はない。第三者に迷惑を掛けない範囲でなら何をしても構わない。
しかしロリコンを実践する男は認めない。許されるのなら殺してもいい。睡眠薬をもって強姦するのとなんの違いもないから。
…というのは、僕には幸いにも、これっぽっちもロリコンの「気」がないから言えるのだろう。
ただし、もう少し年をとったら、分からない。そのときは意見を撤回するかもしれない。(よわっ!)
ま、今のロリコンも大人の女性を愛することへの怖れ、だよね、結局。巨乳かロリータか、違うようで元は同じ。
もうわしゃ知らん! これについては説明しない。ただ嫌いだから。好き嫌いに理由はいらない。

余談をひとつ。ひと昔前、徳之島に泉重千代さんという世界最高齢の男性がいた。120歳で天寿を全うされた。
あるときテレビレポーターが「どんな女性がお好きですか?」と彼にたずねた。答えは、
 「年上の人」
これをまじで言ってたところがおかしくて悲しい。もう一度甘えたかったのかな。実話。
重千代さんの場合、ロリコン対象は80歳くらいだったりして。


■ できちゃった婚反対!
 世間はこれをほほ笑ましく伝えることが多くなってきた。跳び蹴りを食らわせたい。
できちゃった婚するヤツラを僕は軽べつする。
予期せず「できちゃった」ということなど現在ではほぼあり得ない。「作った」のだ。明らかに。
それは百歩譲るとして。一体全体、どうしてそれを機に結婚するのだ。結婚の意味とは何なのだ?
世間体か。子供の戸籍のためか。
戸籍なんて、明治政府が人民掌握のために設けた衆愚政治の名残であって、日本特有のシステムにほかならない。
籍を入れるといろいろ得なことがあるからか?
生まれ来る子のためと称して、自分たちを正当化・合理化しようとしているだけではないか。
子供にはいい迷惑だ。
それからこういう、ウィットの微塵もない言葉は、早く葬り去られることを切に願う。


■ 負け組反対!
 僕が1999年にホームページを少しずつ作り始めたとき、最初に書いた散文は「核」に関することだった。
福永武彦の『死の島』に寄せた文章で現代兵器のこと、そして北朝鮮の脅威のことなども書いた。
当時は北朝鮮のことはまだ電波媒体ではタブーであり、読む人みんなに退かれてしまった。

その次に書いたのがある人の書いた短編の解説。これは「若い」けれどなかなか書き込んでいると自分でも思っている。
その中の一文でいまだに僕のポリシーとなっているものがある。「名付けることの罪」という文章だ。
僕は言葉の誤用/揺らいでいる言葉には寛容だけれど、新語には厳格になりたい。
人は一度名付けてしまうとそこで思考を停止する。それ以上理解を深めよう、誤解を正そうという行為を捨てる。
もちろん言葉を使用しなければ表現もコミュニケーションも不可能となる。名付けるなということではない。
安易に言葉に頼るなと言いたかったのだ。
「ストーカー」という言葉が嫌いだ。これによっていかに多くの大切なものが消えたか分かるだろうか。
「負け組」も同様。どんなに馬鹿が増えていくことか、人を勝ち組か負け組かのふたつにしか判断しなくなる。
勧善懲悪、二者択一はおとぎ話で卒業しなければいけないのだ。
そして言葉を押し付けられることには抵抗しなければならないのだ。


■ 反対も賛成もできないやつに反対!
 マイケル・ムーア大好き!
彼には次に、天皇家/宮内庁摩擦と、北朝鮮/拉致問題を撮ってほしい。いずれかを撮るだろうと信ずる。
アカデミーが5秒遅れで放映されたのはジャネット・ジャクソンのポロリのせいではない。
去年のマイケル・ムーアの"Shame on You!"のせいなのだ。リアルタイムで視ていた僕はテレビの前で拍手した。実話。
結論。以上の文章を読んで、「よく分からない…」というやつに、憐憫の情とともに、
反対!!!


                                             Kuri, Kipple : 2004.06.03


散文(批評随筆小説等) 巨乳反対から始まるいくつかの反対 Copyright クリ 2004-06-03 02:40:28
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