Are you sleeping, Brother John?
んなこたーない

  The storm is passed, There is peace at last,
  I'll spend my whole life sleeping.
  Now there's not a sound, No one to be found Anywhere.(The Band「Sleeping」)

何かとつらい人生において、睡眠はかけがえのない愉しみのひとつだ。
なんでもナポレオンは平均三時間睡眠だったそうで、それだけで充分、同情に値する。
ぼくに同情されても、なにも起こりはしないのだが。

  「絶えず眠れ。下降せよ、絶えず眠れ。下降せよ、眠れ、眠れ」(ヴァレリー)

車で寝るときの弊害。夏だと車内は異常に暑く、冬だと異常に寒い。
また、起きたとき身体が痛い。寝る前に比べて、明らかに疲労感が増している。

寝るときくらいは一人でいたい。
目が覚めて、隣に妻のおぞましき姿態を認めるのはけっして愉快なことではない。

冬場、風予防の為にマスクをして寝るといいという。
ぼくの経験では、起きたとき、間違いなくマスクは顎にかかっている。

夕方に目が覚めたときの違和感。
時空間の空白にハマり込んでしまったような錯覚。

誰しも繰り返し見る夢があるものだ。ぼくは、高校の単位が足りないと慌てている夢を何度か見たことがある。
フロイト流に解釈すれば、おそらく幼児期の性的トラウマが原因である。

また、鉄橋から片手でぶら下がっている夢もしばしば見る。
フロイト流に解釈すれば、おそらく幼児期の性的トラウマが原因である。

昔はヘッドフォンで音楽を聴きながら寝ていた。
それにしても、目覚めたとき、コードが絶妙な塩梅で首にからまっているのはなぜだろう?

いまでは静かな方がいいので、寝るときはなにも聴かない。しかし、いまでも当時寝るときによく聞いた
人民寺院のブートレグや「An Electric Storm」や「Earth 2」を聴くと条件反射で眠くなる。

泥酔した次の朝によく思うこと。なぜ財布に千円しか入ってないのか?
どうやって家まで帰ってきたのか? この靴は一体誰のだ?

朝立ちは体力の無駄ではないのか?
ぼくにとって利用法は、いまのところ皆無である。

金縛りもまた体力の無駄遣いである。
底抜けのバカ騒ぎと同じく、朝が来ればすべては幻にすぎない。

寝るときの体勢は重要である。ぼくは仰向けでないと眠れない。
昔は横向きで寝ていたはずだが、いつの間にか変わってしまった。

明るいのも嫌で、塗りこめたような暗闇がぼくとしては理想である。
また、前述の通り、無音状態が好ましい。

これらの条件を完璧に満たしてくれるのは、何といっても棺桶である。
しかし棺桶では眠ったが最後、二度と目を覚ますことができない。


散文(批評随筆小説等) Are you sleeping, Brother John? Copyright んなこたーない 2007-09-23 23:45:23
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