身体の一部すら
はみ出ることは許されない
ひどくあいまいなラインの向こうに
全身全霊を傾ける
彼の仕事場がある

ピッポが飛び出す
勝利を求め
スーペル・ピッポ
いつだって彼は
ラインの裏を
虎視眈々と狙っている


笛が鳴ると頭を抱え
旗が上がると手を振り上げる
空を仰ぐ彼の心は
しかし決して折れはしない
ミラニスタが彼を信じる限り

ピッポが抜け出す
磨き抜かれた嗅覚
スーペル・ピッポ
いつだって彼は
ライン上で
心理戦を繰り広げている


その瞬間
多くは唐突に訪れる
彼が為し得た仕事によって
歓喜が飛び交い
失望が渦巻く

ピッポが駆け出す
喜び勇んで
スーペル・ピッポ
いつだって彼は
パフォーマンスも
全力疾走


ピッポ
ライン上で生まれた男
スーペル・ピッポ
ワンタッチの天才
彼はいつだって
サンシーロの声援を背に
味方を信じてラインに挑む