死して尚、彷徨える者達へ
狩心

何の為に生きているかなど
問うた事はない
私達はこの時を
しかと掴んでいるのだから
何の為に生きているかなど
問うた事はない

一つの爆発としての理由
爆発する前に何かあったのか
その真っ黒い虚無の空間は
何も無いから真っ黒いのか
それとも黒い物質で満たされているから真っ黒いのか

私達は黄土色に光る
凍てつく波動と錆びた鉄
渦巻き状に放射していく
木の葉吹き荒れる秋の風
夏の雫
冬における冬眠の意味
春に泣く
小鳥達のさえずり

母親も父親も知らない子供が
自らの意味を今に見出した
唐傘お化けとの散歩
手のない友達
二人で一緒に片足で跳ねる
一人の人間

携帯された、魂は
誰かとの、契約でもなく
携帯される、魂は
千切れた愛の、星の誤り

一人で歩いた赤道を
自らの血管と間違えた飛躍
流れ行く青き大河の
一員としての隠喩
空に羽ばたく海の香り
風に運ばれる生命の囁き

今からお伺いします
彷徨える魂は
あなたの下へ
今からお伺いするでしょう
私達の思いは
私達から、かけ離れて

0コンマ1秒で爆発するでしょう
静かな命は
長い歴史の物語から、かけ離れて

本当に旅立つということ
あなたに与えられた生から
あなたが一人
自立するということ


自由詩 死して尚、彷徨える者達へ Copyright 狩心 2007-09-19 01:04:19
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