優羽

窓際の椅子に座り
私は外の静けさに身を任せた
夜風はそっと心を撫でて
私を深い場所へといざなった

心の破片はすべて異なり
それはまるでジグソーパズルをはめていくような
また毛糸を編んでいくような
そんなかたちで繋がっていった

遠くでサイレン音がした
私はリアルへと引き戻された
同時に破片は尖りはじめ
胸が痛みだした

大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせ
まだ胸は痛むけれど
遠ざかるサイレン音と共に
少しずつ薄れていった

私はまた自分の中へダイブした
相変わらず夜風は心の隙間を通り抜けた
破片はゆっくりではあるが繋がっていき
隙間は徐々に埋まっていった

そしてひとつの球が出来た
それはとてもまあるい
そうまるで月のように
何かに照らされ輝いていた


自由詩Copyright 優羽 2007-09-19 00:16:01
notebook Home