チグトセ

思えばどれもこれもが
規格の怪しいものさしばかりだ
醜悪きわまりない視力だ
なあ、太陽には愛がある
そう思わないか?
太陽がもし熱いのなら
俺の心は冷たいんだろうな
この世界を構築しているものも、辿り着けぬ限界を縛り付けているものも
そんなに言うほど大袈裟じゃないだろう
俺の読みが正しければ、お前は今頃とっくに開けているだろうさ
腐った、と言ってバカにした宝箱の鍵を
それを見つめて茫然と
そんなに長い間見つめて
果たされなかった約束たちは今頃集まって孤独に暮らし始めている
陽が落ちる前にと言ったって、かれこれ約46億年目の話だろ?
そうして死ぬまで明日は永遠にやってくる
結末は散々だな
少なくとも目標に達するまでは一言も文句を言ってはいけないというのが
はじめから出発点に記されていた定石だった
またあいつらが笑ってるぜ
場の雰囲気を壊sって
予想外の事態に対応できずに慌てるのが惨めなのさ
そして残念なことに
彼らの言う場の雰囲気ってのはとっくの昔に意味を無くしてしまったアレのことだ
皆、同じ問題点で困り果てている
だが隣人には頼らない
もっと大まかで大規模な平均値をあてにする
俺は辟易するのを誤魔化すことに飽きた そういうことだ
愛はどこへ行ったんだろう 行方を追うのなら、任せるよ
だがそのままじゃ言葉が使えないんだ
結論を出せば千切れるから中途半端に浮いているしかない
たくさんの負をしょいこんだ自我に苛まれる自分なら
むしろその場に居ないほうがいい
人びとは絶望することに絶望している
やめようよ、不毛だよ、と
誰かが必死に抗議する
幸せが、幸せであると云えない
幸せが幸せであることに辿り着くまでには
不当な憐憫と不和な価値観と
対立と浸食と憶測と怠慢が
カッコつけながら足の引っ張り合いっこ
ある人が、道端に咲いた花の美しさを目に留めて
それを指さして美しいことを皆に力説しても
それは絶望的だ
道端に咲いた花の美しさにも気付かない私たちは哀れだねと歌にしてみても
それは絶望的だ
様変わりした風景に対して感想を述べるのが、もう面倒で
闇に終わりはない だから自分が光になるしかない
と言って飛び出していった勇敢な旅人は未だ誰一人としてここに戻ってはこない
ここにはまだまだ名もない未知が埋まっているんだよ、
と言って指をさしても
それらは片っ端から商品化されイメージは悪くなる一方だ
そしてそれらを商品化した第三者は果てしなく善意である
この世は自由なんだ
自由が欲しいときには空を見ればいい
自由が欲しいときだけ空を見ればいい
友人が欲しいならそいつを肯定し
親友が欲しいならそいつを否定すればいい
どうせ欲張りなあなたは、上辺だけじゃ足りないんでしょう
人の特別を拝むためのパスコードは、とっくに使用期限切れ
服の皺でも伸ばして
胸はぴんと張って
最先端を手に入れ得意げな我々はもはや
しゃべることにしか幻想を見いだせない
反吐が出る!
反吐って何ですかタンですか?
まっすぐ現実に向かって飛んでったはずの言葉は今
ぐちゃぐちゃに脚色されて地面に落ちる


自由詩Copyright チグトセ 2007-09-16 03:50:53
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