寝台車
たもつ
寝台車の匂いが
掌にする
腕はまだ
距離を測っている
残されたものを集めると
骨の近く
きしきしして
初めて靴を買ってもらったときの
恥ずかしい喜びしか、もう
いらない
小さな建物のところで
化膿した皮膚を
ただ掻きむしった
寝台車が体を乗せて
発車の準備をしている
さよなら
言葉は空気を
震わせてはいけない
自由詩
寝台車
Copyright
たもつ
2007-09-12 10:22:22
縦