raven n.p.
000

あの娘は北極を指して
箱の中に飼われた鴉を飛ばした

夕焼けを見る前に眠っていたから
羽根の色を知らなかったらしい
夜が明ける前に眼覚めていたなら
硝子の破片で怪我をすることも
無かったのに

朝が冷たくなったから
季節が変わったと思うんだ

鴉の羽根が落ちてきた
夜空の星を映していた

風が北から吹いたから
季節が終わったと思うんだ

鴉は何処までも飛んだ
北極の場所も知らずに

終焉は意外と近くに在って
両手首に繋がれていた

あの娘は実は箱の中
北極って此処さ
鴉が鳴いたよ


自由詩 raven n.p. Copyright 000 2007-09-12 09:26:12
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