はとどけいさぶれもよう
君の、




傘がこわれた
シロップ味の傘は
あお空さえ甘ったるく
かき混ぜて綿飴も
ミルクのように薄めて
記憶してきた
落ち葉とか
スチール缶なんかを
ため息とまるめて
ゴミカゴに
ぽい
立ち入り禁止の芝生は
存在しない場所にしかない
こわれた傘で
混ぜすぎてなかせた
しとしとしない
コンクリートのうえ
植物のような優しさしか
すきとおらない街
ゴミ袋は
くろいままなら
よかった
あお空からは
湯気はでてこない
甘いものが
たれてきたら
ちいさな記憶の
味をうすめる






自由詩 はとどけいさぶれもよう Copyright 君の、 2007-09-09 18:54:03
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