アンティーク
うわの空。



趣味のいいワイングラスに
昨日ためこんだ夜の雫、
上品に傾けても
逃げるように失われていく


アンティークなこの脳の活動には
ねじを巻くのと同じような要領で
こんぺい糖のような
恋しいノスタルジィが、必要なんだ


忘れることの脅威にさらされながら
僕らは夢をみるよ
おとなの見れないわずかな灯りで
アイデンティティに鍵をかけた


現実に生きるなら
僕はストレンジャー
こんなネガのような世界で
脳のストックを夢中で探す

「アンティークで生きられるなら」と、
本音はそう言っているけれど



自由詩 アンティーク Copyright うわの空。 2007-09-09 00:48:50
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