夜の罪悪
アハウ

夏だというのに
窓も開けられず
あの密やかな 夜風も楽しめない

相変わらず 締め切った部屋
クーラーをきかせて

嘘のような 蛍光灯の下
仮想の君に読んでもらう為
キーボードを操作する

この部屋で夜は
うしおが満ちるように 訪れている
深夜を巡り 夜が深い井戸が 開く

部屋の片隅にゆっくり
裂け目があらわになり
夜を巡り 井戸があらわになる
擦り傷のにじむ体液のように
蛍光灯に照らされて
井戸の内分泌が綺麗な色をして 始まる


横たえた体と人肌の内分泌
息を濡らし 髪を濡らし 
遊魚の胎児の夢はなに色
綺麗に透ける フラスコの底 夜の底

夜の内分泌に 酩酊の部屋
深い 罪悪と業


自由詩 夜の罪悪 Copyright アハウ 2007-09-08 22:28:42
notebook Home 戻る