目の坂
ヨルノテガム





たまごが転んだ

起き上がれない

それ、これ、うつむきながら

あれはうつむくのかしら

コーヒー飲むのかしら



お茶碗は棺桶かしら

たまごが震えた

喜びも悲しみも

巻尺は何も無かった

恐竜でさえうずらでさえダチョウでさえ

まだ名前も無かった


ひと呼吸めの発見が存在の何たるかを形成していくなら
いつまでも生まれていたいし震えていたい



たまごが息を止めている

こいつは中々挑戦者であるな

僅かな力を押さえに押さえて あるとき

ニワトリは飛行機を先導する

生卵は納豆を包み込む愛情が湧く



いま、殻の割れ目が怖ろしくも美しい川であるナ














自由詩 目の坂 Copyright ヨルノテガム 2007-09-08 02:23:40
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