宮市菜央

雲行きが怪しい夜明けに
薄手のワンピースとハイヒールで街に出る
どこへ行こうなんて考えられない
始発電車の行方は知らない

傘は忘れた みんな捨てた
どんどんなくなっていく
がらんとした私の部屋

私とあなたとの壁は一本の鍵
でもその鍵も捨てた
悲しみの他にあと何がある?
見上げると突然の雨が

前が見えない雫の中
明日こそはいい日でありますように
濡れて歩く坂道
二度とは通らなくても

遠くには光の筋
雨の向こうの光が見える

明日こそは希望が見えますように
濡れて歩く坂道
二度とは通らなくても


自由詩Copyright 宮市菜央 2007-09-06 01:57:56
notebook Home 戻る