夜の遠く
松本 涼

しばらく海を
見ていない

とうに街には
飽きてしまっているけれど

それにもすっかり
慣れてしまった


誰の笑い顔も
どこかぎこちない

それでも疑うことは
何より疲れるので

どれだけ哀しくても
君を思い浮かべる


夜の遠くで
貝殻が擦れ合う
音がしている


自由詩 夜の遠く Copyright 松本 涼 2007-09-05 20:18:15
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