紅色ラプソディ
ゆうさく

なでしこの花が
空のなかを、めぐる
そして空は
べに色になる
雲は赤に
魅せられて飲み込まれて
自分の色を忘れている

さっき見た少年は
少し蒼を吸い込んで
大人になって
そのまま消えていった

日傘はもういらないよ。
夕焼けはすでに
世界を包んで
わたしの知らない世界を、
見せようとする

空は血の色、
わたしのなかの真っ赤な穴が
なぜかひくひくしている

目の前の飛行機雲は
きっとわたしの
大人への軌跡
恥ずかしくなって
思わず目をふせた

青春ラプソディ
少女は
ルビー色の風に
吸い込まれて
包まれて
少し大人になる

わたしの周りを包む赤色
まぶしくて、きらきら

べに色ラプソディ
少女は
ルビー色の風に
吸い込まれて
包まれて
オンナになる


自由詩 紅色ラプソディ Copyright ゆうさく 2007-09-01 20:24:40
notebook Home