冷やし中華終わりました。
小川 葉

告げることもなく
終わるものの
西日に照らされる
影のかたち

騒がしく
鳴り続けた夏が
ひとびとの胸に刻まれる
記憶のかたち

あの角にはたしか
食堂があったはずだ

なぜなのかは
わからない
けれども

駐車場となった今も
冷やし中華のいい匂いが
漂っている
それは
記憶に違いなかった


自由詩 冷やし中華終わりました。 Copyright 小川 葉 2007-08-30 23:45:33
notebook Home