独り遊び
渡 ひろこ

せつない夜は
何して過ごす

ことば遊びの
ことば紡いで

とろとろ落ちる
時間を織ろうか

それとも

赤い月から滴る
ゆらいだ糸で

あの人に裂かれた
心を繕うか




  (唇から零れるうた
  (つかみきれなくて
  (降りてくる言葉を
  (待っても
  (瞳や頬を濡らしてくれないから




鼓動の速さや
後れ毛のゆらぎも

ひとさし指で
すべて噤んで

黒いマントの
虚無と寝ようか

やわらかい
褥の上で

あらゆるものが
無に還るように

幾度も
幾度も

くり返し
戯れる



自由詩 独り遊び Copyright 渡 ひろこ 2007-08-29 23:56:51
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