緑色をした喪失
結城 森士

街燈の点滅に散った幻想
あれは流れ星で
僕の夢を吸い取って消えた

草花が揺れている線路に
裸足で倒れこんだ少女が
揺れる熱と交じり合って
溶けてしまったような夢

サンダル
水辺に流す
深森の背景が朗々と交差し
愛という名の不純物が
溶けてしまったような夢

あれはもしかしたら
最後の記憶だったのかもしれない
サンダルが、どこまでも流れていった


未詩・独白 緑色をした喪失 Copyright 結城 森士 2007-08-28 21:50:36
notebook Home 戻る  過去 未来