トワイライト
霜天

時間は、斜めから溶け合う頃になって
辺りはいつの間にか曲がり角になって
それは
人生、
とは呼べないような私たちだったり
生きている道のことだったり


例えなければ綺麗だったのに
どうして、そう、してしまったのだろう


今の頃には海はもう冷たくて
君たちは帰るしかなくなって
さよならという影は踏まないように
寂しそうに笑う目蓋に夕刻をためていきながら
深く沈む砂浜に
それでも誰かを残したくて
足元から削られていく
それは今年も変わらずに
小さくなる君たちを見ながら


水に溶ける
中に、溶ける
水溶性の心理を
小さく四角い波間に流す
トワイライト、曲がり角
人生とは呼べない私たちの
薄い足跡を小さく曲げる
ここはそんな、静かに優しい




夕暮れる
斜めから溶け合う頃になって
夏は降る
降り注ぐ


自由詩 トワイライト Copyright 霜天 2007-08-27 01:43:41
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