いのり
見崎 光

世界中の小さな命
この手で抱きしめてやれたなら
痛みを背負ってやれそうな
自惚れに似た感覚を温めている

柔らかな声で愛を届ける唄い人
救われた夜を数えながら
抱き寄せる肩の小さな鼓動へ
ささやかな祈りを重ねた

時代を渡ってゆく術も持たないままに
今を生かされた子ども達
握りしめる種に
どんな夢を描いているのだろう
分かち合えない悔しさよりも
屈託のない笑みと
純な眼差しに
無力さの憤りを噛み締める

優しく包むその声は愛を捧げる唄い人
何処までも続く空に託した
“いのり”を胸に
小さな命の大きな夢を
支えてゆくことだろう

世界中の小さな小さな手のひらに
希望の種が届きますように…

世界中の小さな翼が
愛を羽ばたけますように…

奏でゆく唄い人
救われた心を惜しみなく掲げ
祈りと共にその声を伝い、貴方と共に
子ども達を抱きしめにゆく




世界中の…











自由詩 いのり Copyright 見崎 光 2007-08-23 21:11:11
notebook Home