天気予報
ゆるこ

 
 
ばりばりと無機質の連動
静かな田舎道
冷めた瞳
からからとまわる
風車
 
 
「今日は関東全域において太陽は死ぬでしょう」
 
そうでしょう
 
 
そらは永遠の夕闇
遠くの繁華街が笑ってる
全て白いペンキで塗れば
太陽は生き還るだろうか
 
 
三日前まで恨んでいた
ほら、礫
拾ってじめりとした世界になげつける
きっと誰も傷付かない
 
 
「太陽は死にました」
 
 
アナウンサーの分厚い唇
英語の様な発音
流麗に、
テレビは消える
 
 
いつからノイズまみれなんだ
そらが泣いてる
頬に黒い雨
どこかで気が触れただれかが
原爆でも落としたのだろう
 
 
ぱさぱさと落ちる髪にまみれた
蝉が、一匹
生きたい、生きたいと泣く
 
煩い
そんなの
私も一緒さ
 
 
「太陽は死にました」
 
 
もうすぐ
ここは冷たい星になる
その前に
私は蝉と共に
土に還ろうか



自由詩 天気予報 Copyright ゆるこ 2007-08-21 11:25:05
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