無言の間
北大路京介


今日のデートの話題は 『宗教と法と税金』

話を聞いている僕は楽しいけれど
うなづいているだけの僕に飽きてないのかな

あまりにも無知らしい僕に 母親は「新聞を読め」と言い
兄は「ニュースを見ろ」と 五月蠅くてしょうがない

 あいつが喋らないと 長い長い沈黙がおとずれる
 顔を見ているだけで僕は幸せなんだけど

 退屈そうな瞳の奥で なにを考えているんだろう
 なにも話せない僕に やはり呆れてるのかな

 あまりにも無知らしい僕に あいつは国語辞典を買い与え
 「言葉を覚えて頂戴」と 詩人のようになってほしいみたい


  ねぇ どうして僕のこと 「好きだよ」なんて言えるんだろう
   母親ならまだ 僕を産んだ責任があるから 解る気がするんだけれど

  ねぇ どうして僕のこと 「好きだよ」なんて言えるんだろう
   父親ならまだ 僕を産ませた責任があるから 解る気がするんだけど


   沈黙は続いてく 静穏は続いてく  無言のまま 僕らは続いていく?

   沈黙を破る あいつを待っている   無言のまま 僕は見つめてる


自由詩 無言の間 Copyright 北大路京介 2007-08-20 21:21:09
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