回路
見崎 光
死に際の無様さを焼き付けた思考
業火に狂い、踊り
痛みの感じぬ体を切り刻む
吸い尽くされた活き血は
妄想をも蝕み滅びゆく眼球
死にたいと願う誠の矛先に
愚かさと醜さと汚らわしさを
熱した河の水面に見る
己の欲望さえ満足にコントロール出来ない
哀れな弱者を救えるほど
立派な人間ではないから
多くは語らず
闇に同化し、漂って
光りに逆らわぬ個体でありたいと
祈るばかり
死に際の無様さほど
恥じて懺悔するものはない
ふと、そんな事を思った
やり直しが利く恥なら
まだ、報われるさと…
自由詩
回路
Copyright
見崎 光
2007-08-20 20:52:07