電線の上を飛ぶ男、どこかで見た風景
狩心

メンソレータムは野球拳だった
野球拳がまさに時代遅れのカーナビだったが為に
私達が脱線事故を起こす寸前に停電が起きた
Life Line Off
電気が無いとありとあらゆる部屋が真っ暗で動くものも動かなくなる
今まで普通に出来ていた事が出来なくなる「失恋?まさかそんな事じゃないよ
部屋中だけじゃなくて町中がそうだろう、外、外、外、
近隣の住民が断末魔を上げて光ってる新しい荒野で俺は
小次郎の風林火山が夜の闇を疾走する姿を見たが
それは漫画本の中の世界が空間の歪みとしてこの現実世界に現れたせいで
むしゃくしゃしている芸術家達は
エヴァンゲリオンが好きだという奴等を全員ぶっ殺す事から始める必要があった
戦争を始める前に対話する必要があるだろう
弱いままでいいと思っている奴等に
ウェklq;んlv家5jtにl;とぁlんみtvbw4あん;おw;おmじゃvせt;じ
とりあえず一人ずつこんな風にキーボードを押してもらう
いわゆるこれは霊的な健康診断だが
これこそがまさにテロリズムを考えている新興宗教の資金源だった
おいおい三年前の恋人から突然メールが来たよ
寂しい俺達の心にいつもメールの振動が輪廻転生のように響いてくるが
かと言って、町を何十時間何百時間徘徊したところで何も見つかりはしないんだ
中耳炎でプールを休んでも仮病の生理でプールを休んでも
休んでいる事に変わりはなく
人々が演技をしようが演技をしまいが
俺達に見える人々の姿は一つの表現媒体でしかない
私は何をしたらいいんだろうとか
私は一体誰なんだろうとか
愛が分からないとか何だとか言ってる暇があるなら
とりあえず色んな事やって経験を積んだらどうだ
そして俺は一人の少女(青少年)の肩に手を掛けて
ゆっくりと顔を近付けて絶望的な恐怖を感じさせた後に
額と額を合わせて対人恐怖症の少女(青少年)の体温を測った
人々はコミュニケーションが下手な割に性的欲求と自我の理想だけ強すぎるよ
むかしむかし下町の芸人達やこの酷い暑さの中で行われる御神輿の祭りや花火大会で
個人が集団や組織いわばその世界の風景として溶け込んでしまう事を
つまりその一体感を美徳として崇められた日本の意識はもう古い産物で
一つの事を見つめて歓喜する伝統ももう致命的に終わっているのにまだ残り火がある
終わりを求める奴等にはまず「お前らが先に終われよ」と告げさせてもらう
身を持って呈する事が出来ないならば口先だけのチンコだ
Out Mind Input On ニコニコプンプンのソーセージ
愛する妻を失った肉屋の店長は人生における全ての事に無気力を感じていた
若者達がこの蒸し暑い夏に何時間も誰かと二人で意味不明に歩くことは大切だった
特に話すことは無かったが二人でお互いの駄目さを確認し合えてその先に
今まで全部一人で悩みを抱え込んでいた少女(青少年)が初めて自分を曝け出して
壁という壁が消えて俺の経験・お前の経験・交換するよベイビー状態になった
友達が居ないと叫んだ浮遊者は「私は自分が好きで好きでたまらないんだ!」と
叫んでいたっけ
とても深い井戸の底でヒッチハイク
しかし他人にはとても浅い子供用のプールに見えたダンプトラック
その横を通り過ぎる度に俺は「あんたは経験が少なすぎる「または考えが狭すぎる
「そうは思わないか「防御力ゼロの魂「πr二乗は光の速さだぞ?と呟いた
十六文キックからセパレートの水着へ浣腸が炸裂した
後ろから来るオートバイの引ったくりにサンキューを届けて
どうしたらいい俺達は、液晶画面の奥から涙を拝借して
電気ガス水道そこら辺の支払いもまだ済んでない俺達の空はまだ澄んでない
俺達はここまで来た、いや待てよ、以前にもここに来た気がする、どこかで見た風景
デジャヴか、そして明日も今日のデジャヴか、君の姿が俺のデジャヴで
残像がひしめき合っている無限回廊で無限ループを夏の花火と一緒に飲み込んだ朝は
ごめんなさい
一緒になって泣いて、組み体操のピラミッド
落雷が命中して俺達
まだ生きている気がする
Moving Walk


自由詩 電線の上を飛ぶ男、どこかで見た風景 Copyright 狩心 2007-08-19 23:15:33
notebook Home 戻る  過去 未来
この文書は以下の文書グループに登録されています。
狩心 no まとめ 【 参 】