果実月の反動
Dolly_Sheep

ハレルヤ あめつちは今日も禿げあがり
軋る刺草の茎の穂、糞、笑み
世に誰もいなければ悩みも悲惨も無い
それでも電話と手品は延々と続いている

田園の喧噪と都会の憂鬱を賭金に
蛙の相場師は黙々と張る
それは生贄と磔と針鼠と刺青と
とにかく脳や生殖の喩えにはもう飽きた

鐘が鳴らなくても
俺たちは渋谷へ降りてゆこう
桃源の灼熱と地獄の冷気が澱みとどまる
あの谷へ

犀はすでに俺たちの細胞を突き抜け
飛散した部品はまったくご都合よく集い
機械もどきや生き物まがいになったりしている
このうえどこに向かって愛想をふりまくのか?


自由詩 果実月の反動 Copyright Dolly_Sheep 2007-08-19 14:43:34
notebook Home 戻る