夕暮子守唄
哀詩



とわを語ったら左胸がうずいた。
ひとめみようと騒いだら、このひとみが唄う。
ワイングラスひとつで、
こころまで拾われちゃたまらないわ!
逃亡を図る十五前夜。

たいようが反射する心持ち。
しずむならいっそ、
そう言って貴方は
(、いそいそするなよ、みっともない。)

右目手前に構えたら良いのかしら?
狙うはもちろん、
あなたにうごめく夕暮れにしよう。

ずきゅ、ん ままならぬ
銃声。ばら、盲目的よ。
ここは遵って(したがって)おくのね。
(然様なら、きっと貴方は帰らない。)

夕暮れ時の木立はいまも
あなたの影を隠している。

見えなかったみらい、
きえなかった野望、
思いもしなかった、焦燥。

(云えなかった言葉たちは今だって、夕立にうたっている。)
 




自由詩 夕暮子守唄 Copyright 哀詩 2007-08-19 06:28:34
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